Dr. Heinrichsは出生から4週齢まで、水を自由に飲ませた子牛と、水を全く飲ませなかった子牛の能力を比較した研究を引用していました。その研究では水を摂取させた子牛の方が、増体率がよく、スターターの食いもよく、下痢になった回数も少なかったということです。水を飲まさなかった子牛は、ミルクや人工乳から必要とする水分を摂取していました。この研究で用いられた牛は乾物摂取量1ポンドにつき約4ポンドの水を摂取していました。この実験結果からも液体であるミルクや人工乳が水の代わりにはならないことがはっきりしています。ですから、子牛には常に自由に水が飲める環境が必要なのです。しかもその水は新鮮で、清潔で、かつ質の良いものでなくてはいけません。冬に実践するのは難しいかもしれませんが、それでもやるべきです。
Dr. Heinrichsは、新生子牛をカーフハッチやペンに移動させた第1日目から水を与える必要があると薦めています。また、スターターも第1日目から始めるべきだとしています。水を入れるバケツは最低でも1日1回は掃除してください。健康で育ちの良い子牛を育て上げるためには、従わなければならない簡単なルールがあります。こうしておけば子牛達はスターターを食べ始めますから、離乳も早まるのです。これは経営上も明らかな利点となります。
ミルクや代用乳を与えている子牛にはいつ水を給与するのがいいのでしょうか? これには、ミルクを飲むと食道溝が閉まる、ということが関与しています。ですから、Dr.
Heinrichsはミルクを与えてから最低でも20分以上間隔をあけてから、バケツをきれいに洗浄してから新鮮な水を与えるように推奨しています。時間をあけることで子牛はミルクを飲んだ満腹感がやわらぎ、再び食道溝が開きます。また、この時間にスターターをついばむこともできます。スターターを食べると喉が渇くため、飲水欲が刺激されます。Dr.
Heinrichsは例として、人がグラノーラバー(スナックフードの1つでオーツ麦やナッツなどをハチミツ等で固めたもの)を食べると水を飲みたくなる、という状況を挙げています。水が自由に飲める環境下では、子牛達はスターターの食いがいいことを示した研究もあります。つまり、食物と水が一緒にルーメンに運ばれることで、ルーメンの発達が促進されるということにもなります。
スターターと水の入ったバケツとを物理的に離して置くと、摂食量が増加し、成長も促進されるということを示す事例が報告されています。水入りバケツとスターターの間に仕切りの板を置いても構いません。このような工夫をすることでスターターが水で湿ったり、水が汚くなったりすることが防げます。大切なことです。
最初の1ヶ月間は、子牛には1日あたり1ガロン(約3.8L)の水を給与します。1ヶ月経つごとに0.5〜1ガロンずつ増やしていきます。つまり、4ヶ月齢の子牛は毎日3〜3.5ガロン水を飲むことになります。
良く聞く水管理の問題としては、水を入れるバケツの洗い忘れがあります。E.
coliや他の雑菌がバケツの中で増殖し、下痢の原因となります。ミルクと水を同じバケツであげることも非常に重大な問題を引き起こす可能性があります。Dr.
Heinrichsは水をバケツから与えても瓶から与えても大きな差はない、としています。彼は瓶やニップルをきれいにしようと格闘するよりも、バケツを洗うほうを選ぶ、と付け加えていました。
新生子牛のための水管理として、覚えておいて欲しいことは:
| 1. |
水は新生子牛にとって必須栄養素である。他のどんな栄養素より安い。 |
| 2. |
水やスターターは1日目から自由に摂取できるようにしておくべきである。 |
| 3. |
ミルクをあげると食道溝が閉じる。つまり、ミルクは第四胃に直接流れ込む。 |
| 4. |
子牛がスターターを食べ、水を飲むと食道溝は開いたままになっている。つまり、水やスターターはルーメンに入り、その発達を促進する。 |
| 5. |
ミルクを与えて30分後に綺麗で新鮮な水を与える。その間に食道溝が再び開く。 |
| 6. |
水を与える瓶やバケツは毎日洗う。 |
| 7. |
仕切り板をスターターと水の間に設置する。 |
| 8. |
子牛は乾物摂取量1ポンドにつき4ポンドの水を必要とする。 |
| 9. |
水は水、ミルクはミルクである。 |
News
Letter from Dr. Whitmore, 2007年04月 No.1-2