2007年10月

Here Comes Another Dairy Revolution (Page 1, Page 2)
A New Blood Test for Pregnancy in Dairy Cattle (Page 1, Page 2)
Current and Future Price of Milk in the USA


血液を用いた乳牛の新しい妊娠検査

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牛の妊娠検査を行う新しい方法ができました。血液を採取して、酵素免疫測定法(ELISA)で検査を行います。

米国アイダホ大学の動物科学者Dr. Garth Sasserは反芻動物の胎盤で生成される血中タンパクに常に関心を示していました。この血中タンパクは妊娠特異的タンパクB(PSPB)というものです。PSPBは授精30日後に妊娠牛の血中に現れます。30日目でPSPB濃度は2〜4ng/MLですが、ELISAでこれを検出することができます。妊娠が進むとPSPB濃度は上昇します。出産2週間前では平均100ng/MLに達します。産後PSPBはゆっくりと減少していきます。再び0に戻るには90日程かかります。ですから、産後90日まではこの検査を行うことはできません。未経産牛は人工授精後28日以降でこの試験を行うことができます。

Dr. Sesserは25年以上もこの検査の開発・商業化に尽力してきました。1999年以前はほとんど期待をもてない状況でした。開発が飛躍的に進んだのは、PSPBのELISAが開発された時でした。ELISAを使うことにより、経済的かつ迅速に試験を行えるようになったのです。また、Dr. Sasserは1999年に大学を退官し、会社を設立しました。妊娠ELISA検査の名前はBioPRYNといいます。PR=妊娠した反芻獣(pregnant ruminant)で、YN=妊娠か非妊娠(yes or no)を表しています。ELISA検査には、血液サンプルを検査施設に持ち込んでから終わるまでに27時間かかります。血液サンプルを朝セットし、次の日に結果を農場に送るという体裁です。

この血液妊娠検査を用いて「空胎」と診断された場合、99%以上の正確性であったことが研究により示されています。この正確性の高さがこの検査のメリットだと言う獣医師もいます。

また、「妊娠している(Yes)」という診断結果が出た場合、この検査の正確性は93〜95%となっています。この不一致は、早期胚死亡や流産が起こったにもかかわらず、その個体の血中にはまだPSBSがありそれが検出されてしまい「妊娠」と判定されてしまうからです。産後90日以内にこの検査で牛の妊娠を診断した場合、擬陽性が出てしまう可能性があるということは覚えて置いてください。

直腸検査と比較すると、正確性ではどうでしょうか? 私の意見としては、どちらも同程度の正確性だと思います。全ての妊娠牛は妊娠60日目と90日目に再検査を受けるべきだと思います。胚死亡が起きてしまった時に、その時期がわかります。

Dr. Sesserが1999年の退職後に立ち上げた会社はBioTracking, LLCという名前です。BioPRYNはBio Tracking, LLC社の独占製品です。アイダホ大学はBioTracking, LLCにこの技術を商業ベースで使用するライセンスを供与しています。

BioPRYN検査のメリットは?

1. 酪農者の選択肢が増える
2. 開業獣医師はELISA検査が行えるようになり、その技術をサービスとして酪農家に提供できる。
3. 直腸検査とほぼ同等の正確性で、信頼できる
4. 血液検査であるため、胎子を直腸検査やエコー検査しなくてよい。
5. 直腸検査とほぼ同等のコストである
6. 直腸検査で妊娠鑑定するよりも短い時間で血液サンプルを採取できる。
7. 時間が節約できるため、獣医師は余った時間を別の酪農コンサルタント業務に使える

 BioPRYN検査のデメリット

1. この検査は妊娠しか診断できない。卵巣嚢腫、癒着、炎症、発情休止、発情を診断することはできない。
2. 農場で獣医師が作業する時間は減るであろうが、結果として充実したコンサルタント業務を行なえる機会が減る可能性もある。

BioTracking社は2004年にBioPRYNを上市しました。それ以降、売上は毎年伸びています。2005年には販売数は85,000検査でしたが、2006年には207,000検査にまで上りました。2007年も売上は上昇しており、今年中に300,000頭分を越えるかもしれません。

現在、BioPRYNの販売および検査は米国では10ヵ所の検査所で行えるようになっています。そのほとんどは開業の獣医師です。検査所は他にもカナダ、ハンガリー、オーストラリアにもあります。

ウェブサイト(www.biotracking.com.)から詳しい情報を見ることができます。

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News Letter from Dr. Whitmore, 2007年10月 No.2-1


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