Reported by by M. Goto & N. Bekki

7.Private Practice 実習内容についての感想

Brian J. Gerloff DVMの仕事の多くは、繁殖管理、栄養管理、ワクチネーションなどプロダクションメディスン(P.M.)の分野であった。一般診療も行っているが、疾病の発生率は非常に少ないように思われた。ほとんどの牛群は、B.C.S.のバラつきが少なく2.75〜3.5 の範囲にあり、特に乾乳中は3.25〜3.5 の範囲であった。

代謝性疾患(ケトーシス、脂肪肝) や乳熱は、Private Practiceの期間中はほとんど見られず、乾乳期〜分娩〜泌乳初期にかけての栄養管理がうまくいっているものと思われた。また、飼料設計をする際は自家生産飼料も含めて飼料分析値をもとに行われていて、飼料設計された飼料を与えられた牛の反応もモニターされている。栄養管理をしっかり行うことでボディコンディションもコントロールでき、疾病の予防、繁殖成績も向上すると思われた。

牛床の敷料について

 多くの酪農家(フリーストール、スタンチョン) で牛舎の牛床に砂が使われていた。(7〜8ドル/トン)

最近、牛の快適性(Cow Comfort)という点で砂は優れた敷料であると言われている。砂は無機質であり、細菌にとって栄養価値がないため細菌が増殖しないと言われている。また、牛にとって砂はソフトであり、起臥が楽で、夏は涼しく、冬は暖かく感じる。

使用する砂の種類、乾燥度合、粒子の細かさによっても牛の快適性が違ってくる。スタンチョンやタイストールの場合、カウトレーナーで糞尿が必ず糞尿溝に落ちるように仕向けることも必要であり、砂が乳房に付着しないように乳房の毛焼きも必要であると考えられる。

福岡県内でもフリーストールのベッドではすでに取り入れられているが、スタンチョンやタイストール牛舎でもコストの問題をクリアできれば有効であろうと思われる。

(戸次信彰)

 

Dr. Gerloffとの面識は、1988年に知人の紹介でイリノイ大学獣医学部にDr. Whitmoreを訪ねた折に、Dr. Whitmoreよりイリノイ州北部で活躍されている若くて優秀な臨床家の存在を知らされ、早々に御訪ねしたのが始まりです。その後、機会あるたびに5〜6回訪問しました。セミナーでは、毎回講師をお願いしており、若くしてPh.D.を取得されています。彼の実家は 100年の歴史を持つ酪農家で、心底、酪農が好きな人間です。従って、大学も酪農研究の盛んなミシガン州立大学を選ばれたそうです。中西部の伝統的酪農形態のなかでPM実践され、常に臨床に興味を持ち続け、現在も御多忙な臨床の中から論文を発表されておられます。私が大いに影響を受けた米国の臨床家です。

(後藤正雄)

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