Reported by S. Sago & S. Matsuoka

Waunakee Veterinary Service の主な仕事内容及び勤務時間

主な仕事内容は、繁殖管理と栄養管理。他に、乳房炎の治療や手術等がある。一部では、酪農家の繁殖管理(育成及び栄養管理も含む)を完全にコントロールしており、その数は獣医師1人当たり4軒程度。使用ソフトは、繁殖管理が「DC305(Dairy Comp 305)」、栄養管理がDr. Sashのオリジナルプログラム(ロータス1-2-3をベースとしている)と一部 「Spartan」。その他、「Bull Search」、「DVM Manager」、「Try Logic」を使用。また、情報収集にE-Male(電子メール)を存分に活用している。

以下に、主な繁殖管理、栄養管理、乳房炎コントロール、さらには勤務形態についての詳細を記す。

Dr.Sash によるオリジナルプログラムによる資料設計例(拡大)

(1) 繁殖管理

繁殖管理は、Fresh Check, Pregnancy Check, 繁殖障害牛の発見の3つで構成されている。Fresh Check,Pregnancy Check は、「DC 305」で予め用意したチェックシートを見ながら合理的に行われている。Fresh Check において黄体を確認すると積極的にPGF2αを注射して発情の誘発を行う。また、Pregnancy Check も授精後32日目から行い、妊娠(−)の牛には積極的にPGF2αを注射する。妊娠(+)の牛に関しては、50日目、90日目にも同様のチェックを行う。さらに、農家の報告、及びFresh Check, Pregnancy Checkで発見した繁殖障害牛は、PGF2α、GnRH-A、子宮薬の注射等を行っている。現場でのチェックが終わるとすぐに「DC 305」にチェック内容を入力してプリントアウトし、現在の牛群の状態や今後の方向性について農家としっかりとディスカションする。 

(2) 栄養管理

飼料設計は、ほとんどDr. Sashのオリジナルプログラムで行われている。粗飼料はアルファルファサイレージとコーンサイレージ、エネルギー源には綿実と大豆粕、タンパク源には血粉(リジンを多く含み、メチオニンも適当量含有している)とコーングルテンミール(イソロイシンを多く含み、メチオニンも適当量含有されている)を使用し、特にバイパスタンパクを重視している。アミノ酸の要求量としては、リジン・イソロイシンが多いため、血粉とコーングルテンミールの混合比が大切である。大豆粕は、エネルギーとの兼ね合いを考慮に入れた上でタンパク量の調整で使用している。魚粉はほとんど使用していない。マクロミネラル としては重曹・酸化マグネシウム・炭酸カルシウム・塩を、トレースミネラルとしてはヨウ素とダイナメイト(微量ミネラルを含む鉱物)を使用している。さらに、乾物摂取量を上げるためにDiamonV-XP(DiamonV社の酵母醗酵培養物)を、体細胞の低下と蹄病予防のためにZinpro-100(Zinpro Corporation社の硫酸亜鉛メチオニン)は必ず使用している。

また、乾乳期(特に、Close-up期)のマネジメントの大切さを十分把握しており、アニオン/カチオンのバランスをできるだけ負の方向に傾けるよう設計している。ANION PLUS(ADM社)を使用してアニオンを増やしている。

 

(3)乳房炎コントロール

乳房炎の治療は、抗生物質療法と非抗生物質療法を症例によって使い分け、または併用している。抗生物質療法では、ペニシリン・セファメジン・スペクチノマイシン・リンコマイシン等の抗生物質を併用し、特にリンコマイシンの使用頻度が高い。また、乳房内への抗生物質等の注入では、日本のような乳房炎軟膏はほとんど使用せず、生理食塩水500 mlにバイトリル(ニューロキノン系抗生物質)を混ぜ、1分以内に全量を使用している。この500 mlという投与量は、組織への浸透性を考慮した上で非常に効果的とのことである。非抗生物質療法では、オキシトシン・カルシウム・グルココルチコイドを使用。乳房炎の乳房を搾ることによって治療するという基本に沿った治療法を行っている。また、これらの2つの治療法を、その症状、経過に応じて組み合わせた治療も行っている。

乳房炎の予防に関しては、体細胞のモニタリング・ミルカー点検・乾乳期の治療などを適切に行い、敷料についても砂を利用することを薦めている。

(4) 勤務形態

勤務時間については、7:00〜7:30の間に全員が事務所に集合し、8:00までには現地に向かっている。終了は個人によって異なるが、17:00 頃には全員診療所に戻ってくる。但し、時間外勤務は当番制。獣医師1人当たりの1日平均診療軒数は8軒。料金については一例を表に示すが、前述したように、本来の基本診療料金は1時間当たり45ドルで、トータルで算出すると60〜80ドル/時間となる。

請求書の一例(拡大)


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