Reported by N. Tamai & H. Shimizu

感想

今回の実習でまず初めに書かなければならないことは、Dr.Bradford 家の方々が私たちを暖かく歓迎してくださったことです。私はホームステイということを当日知らされ、かなり動揺していました。それは、ホームステイは初めてでしたし、言葉にかなり不安があったからです。しかし、そんな心配は家族の方々の心づかいによりすぐに解消されました。おかげで4日間順調に過ごすことができました。

Dr.Bradford はプロダクションメディスン(PM)はもちろんのこと、一般診療もしっかり行っておられました。失礼ながら私は実習前には「PM獣医師は一般診療を二の次にしているのだろう」と思い込んでいました。しかし、Dr.Bradford は全く違っていました。PMで先生が使っておられたプログラムは「MONITOR 」という、牛群全体の繁殖、乳量・乳質や疾病を管理するものでした。牛群検定をしていて、個体ごとの繁殖管理がしっかりしている農家には、このプログラムは名前の通り牛群全体の動きを管理するのに最適のように思います。

第2回のPMセミナーに参加し、自分の仕事を通して農家の方々に「いかにもうけてもらうか」という考え方をするようになりました。そして、今回の実習に参加して、農家の方々に満足(納得)していただける仕事がしたいと思うようになってきました。共済制度など様々な問題はありますが、農家の方々が満足できる「もうかるPM(診療)」であれば、有料としても希望する農家はいると思います。Dr.Bradforのように「農家は自分の仕事に満足しているよ。そうでなければ他の獣医師のところへ行くさ。」とあたりまえのように答えられる獣医師になるようがんばってゆきたいと思っています。

(玉井 登)

 

英語、環境、先生の素性、今思えばそういった事柄にハラハラドキドキしていたような気がします。しかし、現在の充実感はそういった事柄を、遠い過去の一瞬の出来事にしてしまっています。今回のプライベートプラクテイスの感想はと聞かれれば、“EXELLENT”の一言につきるでしょう。今回の機会を与えてくださったみなさんには本当に感謝しています。

私にとって最も大きな収穫は、プロダクションメデイスン(PM)とは何か?ということを考えさせられたことです。農場の生産に関わることを主眼とし、農場のデータをコンピュータで処理、加工し、繁殖点検、飼料点検、ミルカー点検などを行い、第四胃変位等の外科手術や注射、ましてや蹄病処置など行わない獣医師業務がPMであるというのが、私の今までの概念でした。しかし、私がお世話になったSHIREMAN VETERINARY CLINICのDr.Mike Bradfordは蹄病の処置もすれば、ケトーシスの治療で注射もすれば、今回お目にはかかれなかったけれども第四胃変位の手術だってやります。勿論、繁殖点検や飼料点検もやっていました。彼はPM獣医師ではないのでしょうか?

私の今までの考えで言えば、彼の診療体制は、開業獣医師として平病もPMもやってる。という意見に落ちつくでしょう。しかし、実際にその診療を見て、片言ながらもお話して感じたことは、彼らの姿こそPM獣医師の姿なのだということです。時給85ドルという契約で、彼を雇ったことが、結果的にその農場のプラスになる。即ち、獣医師から得られる“新しい情報”というものだけではなく、第四胃変位の手術や蹄病処置といった、“昔からの医療技術”もまた、生産に関わる(PRODUCTION) 医療(MEDICINE) なのでは?と思ったのです。

日本には共済制度があります。私のライバルであります、いわゆるPM獣医師もなんだかんだ言って共済から個体診療として点数を取っていきます。私達だって、本当に獣医師がこんなことやるのかという仕事、もしくは農家の生産に関与しないのに、慣例的に何となくやってる仕事にかなりの時間が割かれています。そんな制度の中で、共済の中の獣医師として、私なりに感じたPRODUCTION MEDICINE を追求してみたいと思っています。自分の価値を下げることなく、自分の技術、情報が農家の収益に結びつくように努力すること。それが私の信念になっております。

筆舌に耐えぬマンネリリズムに喘いでいた旅行前とは、私自身違う人間になったような気がします。みなさん本当にありがとうございました。

(清水秀茂)

 

Dr.Bradfordの一家

 

左から Dr.Bradford、玉井、清水


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